大きなけやきの木の掛け時計１

けやきは日本を代表する樹木で耐朽性、保存性がよく最良の材質の木です。お寺や大黒柱に好まれて使われる建築材としてだけでなく、太鼓や和家具の最高級品としても重用されています。そんなけやきの材の中から、数少ない木目の詰まった良質な大きなけやきの木から時計本体の四角いベースを切り出し、その内側に丸い掘り込みを斜めにシャープに彫り込み、時刻目盛りは、ブラウン系のスワロフスキー（5分おきに5mmのクリスタルコッパー、それ以外は3mmのスモークトパーズ）を配しました。時刻の数字には、とても木肌の美しい表面を持ち、綺麗な光沢がある「カリン」を切り出して時刻を見やすくしています。

更に、その内側を無垢板の一枚板ならではのラウンドした彫り込みで、けやきの木目をより深く観賞できるようにしました。これによって、日々の光の変化から季節の変化までも感じられる陰影をつくり出し、木目の見え方だけでなく、時計の印象そのものが時の移ろいの中で楽しめるものとなっています。また、陰影の中で木目が際立つよう光沢を抑えた仕上げにするために蜜蝋クリームで仕上げました。

ムーブメントは、カチコチ音のしないクオーツ時計のスイープを使用しているので、寝室の時計にも最適です。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものにも交換できるようにとの配慮から大きめに加工しています。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。