リビングにかける無垢材の掛け時計（屋久杉）２

屋久杉とは、屋久島に自生する樹齢1000年以上の杉の木のことです。したがって、木目も1000年分以上あり、一般の杉材より、その表情が豊かになり、個性的になります。この時計に使用した屋久杉は、厚さ45mmもある無垢材です。その厚さの中に詰まった木目は、屋久杉千年の息遣いを感じさせます。その厚い無垢材を正方形に切り出し、下側は、切り出された時の自然の切り口をそのまま生かし、自然なラインに仕上げています。そして、屋久杉の緻密な木目を堪能できるよう正方形に切り出したベースにアールを付けて一段彫り込み、そこに時刻目盛りを配し、更にその内側をもう一段彫りこむことで奥行きが感じられるデザインにしました。

時刻の数字には正倉院の宝物にも見られるほど古来より珍重されている黒檀を切り出して時刻を見やすくしています。時刻の数字はお洒落な印象の斜体の字体とし、分目盛りには5分おきに5mmのライトアメジスト、それ以外は3mmのアメジストのスワロフスキーを配しています。

中心部の彫り込みは、朝の横から差す光から月夜の薄明りまでの日々光の変化から季節の光の変化を感じられる陰影をつくり出し、木目の見え方だけでなく、時計の印象も時の移ろいの中で楽しめる時計となりました。屋久杉の豊かな香りを損なわず、陰影の中で木目が際立つよう光沢を抑えた仕上げにするために蜜蝋クリームで仕上げました。

ムーブメントには、セイコークロック株式会社製のものを使用しているので、安心してお使いいただけます。そして、カチコチ音のしない滑らかな動作のクオーツ時計（スイープ）なので、時計の音を気にせずご利用いただけます。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものとでも交換できるようにとの配慮から大きめに加工しています。