心地よい温もりを感じる檜の掛け時計3

檜は福島県以南から九州にかけて生育し、寺社建築をはじめ高級建築材として使われるほか、耐湿・耐水性が良くお風呂などにも利用されてきた日本人としてなじみの深い木です。そんな天然檜の厚さ41mm一枚板を直径304ｍｍで丸く切り出し、中央部を大きなアールで掘り込みをした柔らかい温かみを感じるデザインの時計です。無垢の一枚板ならではの重量感は、時計としての安心した存在感と檜の香りを味わうことができます。そして、躍動的な木目は森の元気を感じさせます。
時刻目盛りの数字はマホガニーからひとつずつ切り出し、その立体的な陰影で視認性が大変よくなっています。分・秒目盛りは、時計の温かみを感じさせる滑らかな曲面を損なわないようにマホガニーの丸棒を埋め込むデザインにし、5分おきにやや大きめのものにして、時刻を読み取りやすいようにしています。
檜とマホガニーの風合いを損なわないように蜜蝋クリームを使用して、木の時計らしい柔らかい印象に仕上げました。
ムーブメントは、電波時計を使用し、電池をセットするだけで、すぐに使えるようになっています。また、可能な限り無垢板の中に埋め込み、壁に取り付けたときのでっぱりを少なくするようになっています。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものとでも交換できるようにとの配慮から大きめに加工しています。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。