楓の掛け時計6

「楓（イタヤカエデ）」の大きな材の形をそのまま活かした掛け時計です。板屋楓の名の由来は、雨宿りができるほど葉がびっしりと生い茂り、屋根のようなところから付いたと言われています。東北北部から北海道が優良な産地で、楽器の材料として有用で、ハーモニカやピアノのアクション材、ギターの材料などとして利用されます。また、材質が硬く、見た目も美しいので家具材としても利用され、質の良い家具を作る事ができます。また、今回入手した材にはきれいな縮杢 (ちぢみもく)が出ています。綺麗は縮杢が味わえるように敢えて掘り込みなどはしておりませんので、四季折々の光の変化で美しく変容する杢を堪能することができる掛け時計です。
時刻目盛りは「チンチャン」をやや太めのバーインデックスに切り出して配したものにし、１２時・３時・６時・９時のバーインデックスの上に細い真鍮を配し、おしゃれに見やすくいたしました。チンチャンとは聞きなれない木の名前ですが、手違紫檀（てちがいしたん）とも呼ばれる木です。深い紫色が味わい深い重硬な木です。分目盛りにはスモークトパーズ色のスワロフスキーにし、５分毎に大きめのものにして見やすくいたしました。
左下にカナダの国旗の中央にあるメープルリーフの形に「メープル」を切り出して配しました。下部に辺材部分をそのまま残したので天然木ならでは味わい深い時計になりました。
仕上げは、木のもつ色合いや木目の印象を損なわないよう、蜜蝋クリームを塗って仕上げています。
ムーブメントには、セイコークロック株式会社製のものを使用しているので、安心してお使いいただけます。そして、カチコチ音のしない滑らかな動作のクオーツ時計（スイープ）です。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。