富士山の掛け時計

檜は福島県以南から九州にかけて生育し、寺社建築をはじめ高級建築材として使われるほか、耐湿・耐水性が良くお風呂などにも利用されてきた日本人としてなじみの深い木です。Bタイプはそんな天然檜を正方形に切り出し、その下部にすそ野が広がる富士山を配し、時刻目盛りはゴシック調の字体を古くから世界的な銘木の一つであるマホガニーからひとつずつ切り出しました。ベースとのコントラストと立体的な陰影で見やすくなっています。針は先が細くなったストレートデザインの針で、長針と短針は黒、秒針は金色です。
富士山は、ヨーロッパで主に装飾部分の材料、家具に使われるペウッドから切り出し、雪をかぶって日が当たっている部分にのみ北米から輸入したカエデ材のメープルを使用しました。ご依頼の文言は富士山の形に切り出した「ペウッド」の部分にレーザーで焼き付けました。 仕上げには木の質感を損なわないよう、蜜蝋クリームを塗って仕上げています。
Cタイプは、天然檜を縦230㎜、横320㎜の富士山の形に切り出し、その内側を水紋のように丸く2重に彫り込みました。これは、御社のお力が社会へと波紋のように広がっていくように、そして、ご協力会社様との輪が広がっていくようにと考えてデザインしたものです。また、ベースの下中央に「メープル」の薄板にご依頼の文言をレーザーにて焼き付けたプレートを設置してあります。
時刻目盛りは数字ではなく、彫り込みの外側の輪の中に「赤メノウ」を真鍮ピンで留めて目盛りにしてあります。「赤メノウ」は人と人との結びつきや、組織・グループなどのまとまり、結束力を強めるのに最適と言われています。針はストレートデザインで長針のみわずかに先が細くなっています。長針・短針は黒、秒針は金色です。日本を印象的に感じられるデザインで、和室でも洋室でも楽しんでいただけると思います。仕上げには木の質感を損なわないよう、蜜蝋クリームを塗って仕上げています。
ムーブメントは、カチコチ音のしないスイープ秒針のクオーツ時計を使用しているので、静かにご利用いただけます。壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。