ブナの木に同じブナ科のどんぐりを配した、自然の恵みを感じられる掛け時計【クォーツ時計】

1993年（平成5年）12月に世界遺産（自然遺産）に登録された秋田県北西部と青森県南西部にまたがる白神山地は、世界最大級の原生的なブナ林が分布し、この中に多種多様な動植物が生息・自生するなど貴重な生態系が保たれています。もちろん、世界遺産に登録されているブナ林では、現在、伐採などを行うことはできませんが、ブナは日本の温帯林を代表する樹木で、北海道南部、本州、四国、九州に広く分布しており、その実は多くの哺乳類の餌となっています。そんな日本の森を代表するブナを四角く切り出し、更に同じブナ科のどんぐりをあしらって森の恵みをそのままに感じられる掛け時計にしました。
時刻目盛りの1時から11時はブナとは対照的な濃い色のマホガニーを埋め込み、12時はガラスでできた「葉っぱ」のピンを差し込みました。その周囲を丸く彫り込むことで、光の当たり方でガラスの緑が美しく反射します。また、どんぐりは虫食いなどに合わないように中身を掘り抜き、樹脂系接着剤を埋め込んで加工しました。
また、ブナの美しい色あいやどんぐりの印象を損なわないよう、蜜蝋クリームを塗って仕上げています。
ムーブメントは、クオーツ時計のスィープを使用しており、電池をセットして、後ろの針回しで時刻合わせをするだけで、静かに時を刻み始めます。また、可能な限り無垢板の中に埋め込み、壁に取り付けたときのでっぱりを少なくするようになっています。更に壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものとでも交換できるようにとの配慮からです。

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